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(暫定版)
・1955年/1961年改訂 
ヴァイオリンとピアノのための「二つの性格舞曲」

横文字

タイトル

Deux Caractères pour Violon et Piano
作曲時期1955年/1961年改訂
献呈

初版;アムステルダム・デュオのために

改訂版;全く自主的な改訂と考えられる

編成

Vn., Pf.

但し、間奏曲はヴァイオリン・ソロ。

楽曲構成

三楽章形式(以下、1961年改訂版の記述による)

・第一性格舞曲【CaractèreAllegro ballabile♪≒168→♪≒138~144

・間奏曲【IntermèdeRapsodico 108112

・第二性格舞曲【CaractèreAllegro ritomico 112Adagio rubato46

 

因みに、下記のdessein稿での速度記号は、CaractèreⅠが「Allegro ballabile♪≒168→♪≒120」であり、CaractèreⅡが「Vivace ritomico11214460144」となっている。

 

各稿共に楽章構成に相違は無い。

楽譜

手稿譜―現在3種発見されている。

Last proofと書かれた稿、desseinと書かれた稿、1961年改訂稿の3種である。 

 

まず、1961年改訂稿最終頁には、【Revied 1961 Xmas】の記述があり、表紙裏には【Revised 27th Dec. 1961.】とある。本稿は、恐らく本作の最新の決定稿で、これより新しい稿は存在しないものと考えられる。

Last proofと書かれた稿には、fête de Sapporo1955の記述がある。猶、fête de Sapporoは「札幌まつり」のことと考えられ、6月15日を示すものと考えられる。

desseinと書かれた稿には、【12th July 1955】の記述がある。また、【12th July 1955】の下部には、【18th comp. green】と読める記述があるが、これは、7月18日に最新版を作成したとの意味であると考えられる。

 

以上の作曲日時の時系列並びに楽譜に記載されている事項等を考慮すると、現存のLast proofと書かれた稿は速度表示や発想記号が殆ど記述されておらず、本稿が初稿と考えられ、現存のdessein稿は、1961年版へ向けてのデッサン稿であり、初版の決定稿であると考えられる。

 

以上の楽譜の発見経緯は「Marche Triomphale」等と同じく、1980年代作曲者自らが長男極氏に託した箱の中から、2007年4月30日に極氏と本会羽田により発見されたものである。

 

2008年にはErik Homenick氏により、1955年版の浄書スコアがアムステルダムで現存すること、また、初演後何度か演奏された事実等が確認された。詳細は、www.akiraifukube.orgを御参照下さい。

初演

1956年10月1日オランダ・アムステルダムにて、アムステルダム・デュオ(ナップドケリン、アリスヘックス)による。

1961年改訂稿の表紙裏の註釈下は以下の記述が見られる。

【Original composed 1955, Premiere Ⅰst Oct 1956, At Amsterdam by Amsterdam duo. Revised 27th Dec. 1961.】

 

1961年改訂版は本会の調査によれば未初演である。

2008年12月発売のCDに収録の、山田茂俊と山田令子による演奏が世界初演となる。

出版

なし

ジャンル室内楽曲
備考

作曲者にアムステルダム・デュオを紹介し、仲介したのは、残された書簡などから、故 三浦淳史であったと考えられる。

 

アムステルダム・デュオは、モーツァルト作品を作曲された当時の楽器を使用して演奏したりするグループであったようである。

 

Last proof稿表紙には【Divertissement(ディベルティスマン)】の書き込みがある。

1961年版の表紙には、【Caracterè No.1, was re-composed, as Bintatara. main theme, 1973.X】の書き込みがある。

 

改訂稿作成後、初演されること無く長期間経過したためか、本作に使用されている旋律的素材は、その後、「鬢多々良」以外にも「ヴァイオリン協奏曲第二番」終結部や「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」等、幾つかの作品や映画音楽に多数援用されている。

 

当時の海外の演奏家のために書かれた作品であるためか、作曲者の最前衛的な側面を映し出していると云っても過言ではない程、非常に先鋭的な響きを持った挑戦的な作品である。

また、ヴァイオリンの名手でもあった作曲者らしく、ヴァイオリンにも超絶技巧が要求され、一部には新たに考案した特殊奏法も用いている。

それ等事情を鑑みると、この時期の作曲者の創作について考える上で非常に興味深い作品であると云える。

 

猶、本作の第二性格舞曲で用いられた特殊奏法について、今回1961年版を世界初演した、山田茂俊氏に解説文を執筆して頂きましたので、御参照下さい↓。

「二つの性格舞曲」における“特殊奏法” 

 

音源

なし

      
 ▲本作1961年版表紙(左)と1頁目(右)。